KAMINOGEの前田日明×青木真也は紙の格闘技だった
「桜庭柴田のタッグを観てしまうと、他のプロレスが観れなくなる」船木誠勝
賛否両論あるかもしれないし、エンターテイメントの流れを破壊しようという気は船木にもサクにも柴田にも無いと思いますし、私もエンターテイメントも大好きですが、ストロングスタイル(橋本真也)直撃世代の私には刺さらないといえばうそになる強烈な言葉です。
そんな中、KAMINOGEの、前田日明×青木真也がすさまじかったです。正直これを読んだ後は他の対談を読む気になりませんでした。
前田「例えば修斗なんかさ、おまえを始めとしていろんなヤツが綺羅星のごとくいたわけやろ? それでなんでさ、修斗は単独でさいたまスーパーアリーナとかでできへんねん?」
青木「うーん、修斗に関してはアマチュアのシステムをうまく作ったという部分もあるんで…」
前田「そんなんな、誰でも作れる」
普通対談と言うのは、ちょっとずつお互いの意見を言って落としどころを作っていくものだが、前田日明兄さんは折れない。それに、最大のアマチュア格闘技団体アウトサイダーを作ったわけだから説得力がある。だが青木選手も折れない。
青木「いえ、ボクはあそこまでのシステムを作るのはなかなか難しいと思うんですね」
前田「誰でもできる」
なんだこの、リング中央での打ち合いは。
そして話はついに腕折りの話に…。正直この辺から読んでて怖くなってきます。
前田「俺がプロモーターだったら、間違いなくあそこのシーンは外して放送させるよ」
青木「まあ…そうですね」
前田「なんでかっていうとさ、おまえ、考えてみろよ? 大晦日の家族団らんで見てんだよ? あんなもの、見せてどうすんねん! 格闘技自体が野蛮だと思ってる人、たくさんいるんだよ!」
怖いよ! 紙から覇気が伝わってくる。
青木「それはそうです。おっしゃるとおりです」
前田「おばあちゃんとかな、子供が見てんだよ? それをあんなシーン見させられて、「えっ!」ってびっくりするやんけ。残酷ショーだろ、あんなの!」
ちなみに私はこの動画を見て「えっ!」ってびっくりしましたが…。
それはともかく、腕折りをレフリーは止められなかったのかという話に。
前田「(俺がレフリーだったら)その前に終わらす」
青木「いや…あそこは止めづらいと思いますね」
前田「止める」
青木「あれは世界的に見ても、あの形では止めないと思います。UFCだろうと、どこのリングでも」
『グラップラー刃牙』だったら、確実に景色がぐにゃ~っと歪んでいます。
その後も、どちらも譲らぬ展開が…
紙のプロレスを超えた、紙の格闘技を自分の目でお確かめください。
2012年12月6日